1. ホーム
  2. “三浦しをん”の検索結果

検索結果

キーワード「三浦しをん」 の検索結果です。

芸術の秋、文楽鑑賞してみた。

先月、文楽(人形浄瑠璃)を観に国立劇場に行きました。

なぜ、文楽か!?

伝統芸能とはほど遠いわたしがなぜ興味を持ったか?

なぜなら・・・

本の影響を受けてしまったからなのだ。

わたしは作家・「三浦しをん」の大ファン。

ちなみにわたしの父、一郎(69歳)も大ファン。

2人で三浦しをんの本が出ると

『〇〇買った?』とか

『〇〇買ったから買わないでね!』とかよく電話している。

その三浦しをんの本で

「仏果を得ず」 というのがある。

若手太夫がゲイ(変換でこれが最初にでてきた・笑)をいや、芸を極めるために

奮闘する物語り。

太夫は三味線奏者とペアを組んで床(舞台)に上がる。

主人公の男子はとても勉強熱心(練習熱心)で、とにかく芸を極めるために

努力をおしまない日々を送っている。

ある日、とても腕はあるけれどかなり変わり者の一匹狼のような三味線奏者と

ペアを組めと師匠に言われる。

最初は変わり者の三味線奏者とコミュニケーションがうまく取れず苦労をするのだが、

時間が経つにつれ、戸惑いながらもお互いを理解し、三味線に恥じないよう芸を磨き

そして、お互いの芸を高めるため、一緒に血のにじむような修行をする。

古典的な物語は現代に生きる私たちにはちょっと理解しがたいところがある。

仇討ちだとか、忠義とか心中だとか。

でも太夫はそれを語らなければいけない。

観客に伝え演じなくてはいけない。

主人公は時空を超えてその時代に行きたい!と切実に願いながら

今生きているこの時代、自分の日常生活の中から近松門左衛門(物語の作者)の

意図を学び、理解し、役作りに励んでいく。

そんな青春物語です。

仏果を得ず

↑ 友に本を貸してしまった(無理やり)のでPCの画像で撮りました。

わたしは気に入った本は何度でも読む。

1回目より2回目と何回も読んでいくと細かなところを発見できてとてもおもしろい。

この本は多分5回くらい読んでいる。

三浦しをんの本は本当におもしろい。

言葉が美しいし、何ともいえない表現をする。

そして、エッセイもおもしろくて電車で読んでいると、一人ニタニタと顔がニタついてしまい

きっと車内でわたしは薄気味悪い人になっている。

 

ずいぶん話が脱線してしまったが、そんな訳でうちの両親とわたし3人で文楽に行こう!

と息巻いていた。

で、東京は5月(定かではないです)9月に公演があるので

早速チケットを買おうとサイトをのぞいたら、もうほぼ満席状態。

かろうじて夜の部がちょっとある程度。

わがままな両親は夜の部は嫌だと駄々をこねるので、

奴らのことは無視をして一人で行くことにした。

わたしは文楽の義太夫の物語を読んでいるので興味は義太夫にある。

なのでちゃんと義太夫の床が見える場所を購入。

水曜日だったので浜田山のクラスが終わってからゆっくりランチをし国立劇場に向かった。

国立劇場2

国立劇場

↑ 初めての国立劇場。

今回観たのは

〇「傾城阿波の鳴門(けいせいあわのなると)」・十郎兵衛住家の段

〇「冥途の飛脚」・淡路町の段・封印切の段・道行相合かご

人形浄瑠璃

内容は説明すると長くなるので省略しますが・・・

とてもおもしろかった!

正直、眠ってしまうかな~と思っていたけれど、全然平気。

人形は真となる主遣い(頭と右手担当)、左遣い(左手)、足遣い(足)の3人で

一つの人形を操る。

主遣いの人は顔を出していて、あとの2人は黒子衣装。

そして正面の舞台と、右斜め前に太夫と三味線奏者の床(小さな舞台)がある。

 

最初の物語で女性の人形を操っていたおじいさん(失礼!)が後で調べたら

人間国宝の吉田文雀さん。

年齢84歳!! 

人形は主遣いの左手に3キロ~10キロの重さがかかる。

それを1時間以上操るのだからすごい体力ですよね。

で、超ー初心者のわたしでも吉田文雀さんが操る女性の人形の動きに

目を奪われてしまった。

とってもとっても繊細で、ちょっと首をかしげる感じとか、手の動きのしなやかさとか

人形の顔は変わらないのに喜怒哀楽が伝わってくる。

『うわ~っ!これは只者ではないな』と感じさせるものがあり、思わず調べてしまったのだ。

そして、義太夫と三味線。

声がしゃがれたおじさん(またまた失礼!)が男、女、幼女の声を作る。

最初、子供の語りを聞いたとき、『変なの~!』 なんて思ってしまったが

時間が経つにつれ、何の違和感もなく耳に入り、物語に集中させられてしまった。

この物語の幼女はとっても可哀想な、健気な子。

その愛らしさと健気な感じが太夫の語りで伝わってくる。

それがとっても切なく、涙が出てきてしまう。

う~む・・・素晴らしい。

 

そんなこんなでどえらい感動とともにあっという間に4時間が過ぎ、幕が下りた。

興奮冷めやらぬうちに、さっさとお家に帰りPちゃんにこの感動を伝える。

Pちゃんは 『そうか、そうか、寝ないでえらかったね~(え!?そこ!?)』 と

的外れなことを言っていたが、まぁよしとする。

 

三浦しをん様、素晴らしい機会を与えてくれ本当にありがとうっ!!と感謝。

そして、わたしが会社員だった時のY先輩に感謝。

10数年前のこと、先輩はわたしにとても素敵ことを教えてくれた。

『能楽とかオペラとか聞いて見たいんですけど、寝ちゃいそうで。てへ(笑)』

というわたしに、

『あら、なんて贅沢!それを聞きながら眠れるなんてとっても贅沢なことよ☆』

と先輩は言う。

そうなのか! 寝てしまうのはダメなことではなく贅沢なことなんだ!

と目からうろこ。

「寝てしまってもそれは贅沢な時間」 、思わず何度も繰り返してしまう。

そんなこと考えたこともなかった。

なんて素敵な考え方なんだろ。

わたしの思い込みの殻が破れ、新しい境地が開かれた。

それからというもの、わたしは肩肘はらずに歌舞伎やコンサートなど行けるようになった。

(数少ないけれど・・・笑)

そういえば、難しいと思っていたクラシックを 『聞いてみたい』 といったら

Yさんセレクトでダイビングをしてくれ、しかも一つ一つに解説を付けてくれた。

解説も難しいものではなく、情景を思わせてくれるものだったり、

作者の背景を分かりやすく説明してくれたり、とても面白く素晴らしかった。

ついでに字もきれいで話し言葉も美しい人だったな。

 

こうして思い出して文章にしてみると、わたしが生きている中で色々な人と関わり、

影響を受け、たくさんの学びを得ている。 

感謝。

そのことを忘れてはいけない。

 

さー!来年はわがままな奴らも引き連れて行くぞ!

  • 1


Michi Yoga
Mail : info@michi-yoga.com
月別アーカイブ
  1. 2014年
    1. 2014年2月 [2]
    2. 2014年1月 [1]
  2. 2013年
    1. 2013年5月 [1]
    2. 2013年4月 [3]
    3. 2013年3月 [4]
    4. 2013年2月 [2]
    5. 2013年1月 [1]
  3. 2012年
    1. 2012年12月 [1]
    2. 2012年10月 [4]
    3. 2012年9月 [6]
    4. 2012年7月 [1]
    5. 2012年6月 [3]
    6. 2012年5月 [2]
    7. 2012年4月 [1]
    8. 2012年3月 [3]
    9. 2012年2月 [2]
    10. 2012年1月 [2]
  4. 2011年
    1. 2011年12月 [3]
    2. 2011年11月 [2]
    3. 2011年10月 [1]
    4. 2011年9月 [4]
    5. 2011年8月 [1]
    6. 2011年6月 [3]
    7. 2011年5月 [4]
    8. 2011年4月 [5]
    9. 2011年3月 [4]
    10. 2011年2月 [2]
    11. 2011年1月 [2]
  5. 2010年
    1. 2010年12月 [4]
    2. 2010年11月 [6]
    3. 2010年10月 [4]
    4. 2010年9月 [4]
    5. 2010年8月 [2]
    6. 2010年7月 [5]
    7. 2010年6月 [3]
    8. 2010年5月 [1]
    9. 2010年4月 [2]
    10. 2010年3月 [5]
  6. 2009年
    1. 2009年12月 [2]
    2. 2009年11月 [3]
    3. 2009年10月 [1]
    4. 2009年9月 [2]
    5. 2009年8月 [2]
Michi Yogaのキーワード